![]() |
┃相続コラム |
| 近年の高齢社会を見据え相続法の大きな見直しが行われました。 相続コラムでは、相続に関連する最新のあらゆるトピックをお届けいたします。 税理士の視点から分かりやすく解説し皆様のお役に立つコラムにしてまいります。 |

こんにちは横浜市南区井土ヶ谷で安心な相続のお手伝いをしている税理士・公認会計士の佐々木彰です。
ここ数年、金(ゴールド)の価格は高止まりしています。
「昔に買った金をそのまま持っている」「貴金属店に預けたまま」という方も多いのではないでしょうか。
しかし金には相続税や所得税の観点から注意すべき“税務リスク”があります。
今回は個人保有・業者保管の両方に共通する重要なポイントを税理士の視点でお伝えします。
まだエンディングノートをお持ちでない人はTOS佐々木会計のエンディングノートをご利用ください(2種類のエンディングノートになっております)
1.金(ゴールド)は相続税の課税対象になる
金は「現金」と同様に、相続財産として評価・申告が必要です。
たとえば、1g=2万円で1kgの金を保有していれば、その評価額は約2,000万円。
預金や不動産と同じく、相続税の課税対象となります。
特に、自宅や貸金庫に保管している場合、相続人が存在を知らずに申告漏れになるケースが目立ちます。
金の値上がりにより無申告による追徴課税の事例が増えています。
2.売却時は「譲渡所得税」に注意
金を売却して利益が出た場合、譲渡所得として所得税・住民税が課されます。
金地金は生活用動産ではなく、原則として課税対象です(国税庁タックスアンサー No,3161)。
● 課税のイメージ
20年前に200万円で購入した金を500万円で売却した場合、
利益300万円が「譲渡所得」となり、他の所得と合算して総合課税されます。
課税率は所得金額に応じて変わり、所得税+住民税で最大55%(累進課税)になることもあります。
ただし、すべての人に55%がかかるわけではなく、所得金額に応じた税率が段階的に適用されます。
3.取得費が不明な場合
金を購入したときの領収書や購入価格が不明な場合、国税庁の通達に準じて「売却価格の5%を取得費とみなす」方法が実務上よく用いられています。
例:500万円で売却した場合
取得費=25万円(=500万円×5%)
利益=475万円(=500万円-25万円)
課税所得475万円 × 税率(所得に応じて最大55%)
このため、領収書や購入記録を保存しておくことが非常に重要です。
記録があれば「実際の購入額」で計算でき、税負担を正確に抑えられます。
4.横浜市南区での相談事例
(※実際の相談をもとにしていますが、プライバシー保護のため一部内容を変更しています)
ケース①|自宅金庫に保管していた70代男性
金の存在を家族が知らず、相続税申告で漏れてしまい、後に税務署から指摘。
→ 延滞税と加算税を支払う結果に。
「もっと早く相談していれば」と悔やまれたケースでした。
ケース②|貴金属業者を通じて保有していた60代女性
購入明細と取引報告書を整理して保管。
→ 売却時にも取得費が明確で、税金も最小限に。
5.金を持つなら「記録」と「相談」が安心のカギ
金は資産として魅力的ですが、税務上の管理を怠ると思わぬ課税リスクを招きます。
税理士としておすすめするのは次の3点です:
● 領収書・購入明細・保管場所を整理しておく
● 家族に「金の保管状況」を共有しておく
● 相続や売却のタイミングを専門家と一緒に検討する
おわりに
金(ゴールド)は「持っている安心」と「税務上のリスク」が表裏一体の資産です。
正しい記録と事前の相談が、将来の安心につながります。
横浜市南区・井土ヶ谷で、相続・資産管理・税務相談を数多く受けてきました。
「自分の金はどのように扱うべきか?」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。
あなたのご家庭に合った最適な方法をご提案します。
![]() |
前のコラム | ![]() |
||
| 終活や相続に不安がある人たちへ41 ~生前贈与は相続対策になる?~ |
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
税理士法人 TOS佐々木会計
〒232-0051
横浜市南区井土ヶ谷上町21番16号
電話:045(741)3921




