┃相続コラム | |
近年の高齢社会を見据え相続法の大きな見直しが行われました。 相続コラムでは、相続に関連する最新のあらゆるトピックをお届けいたします。 税理士の視点から分かりやすく解説し皆様のお役に立つコラムにしてまいります。 |
こんにちは、税理士・公認会計士の佐々木彰です。
今回は前月に引き続き、エンディングノートについてです。
エンディングノートをどのように書いたらいいかイメージがわかない人も多いと思います。
そこで、今回はエンディングノートを書く時のポイントとその記載例を紹介します。
最後の紹介する記載例はTOS佐々木会計独自のエンディングノートを使って説明しますが、他の一般的なエンディングノートであっても同じように当てはまる内容ですのでご安心ください。
※ まだエンディングノートをお持ちでない人はTOS佐々木会計のエンディングノートをご利用ください
① 「元気なうちから家族に宣言しておく(家族に読んで欲しい)」エンディングノート(ダウンロード:PDF)
② 「お別れした後に家族に読んで欲しい」エンディングノート(ダウンロード:PDF)
1.エンディングノートに必ず書くべき3つのこと
エンディングノートは自由に書いて良い反面、何を書くべきか悩むこともあると思います。
また他に伝えた方が良いことがないかと不安になるかもしれません。
そこで私が考える、エンディングノートに必ず書くべき3つのことをお伝えします。
それは、自分が介護されている期間を想像して
「①どのように生きたいか」またそのように生きるために、「②誰にどのようなことを任せたいか」ということです。
そして、最後に「③自分が亡くなった後に託したいこと」です。
2.①どのように生きたいか
エンディングノートに自分が「どのように生きたいか」という考えを書きます。
なぜかというと、前回のコラムでもご紹介しましたが、健康寿命から平均寿命までは約10年の長さがあるためです。
人生の最後の生活についての思いは元気なうちからまとめておかないと、不幸な結果になるかもしれません。
どのように生きたいかの例として、「できるだけ自宅で生活したい」という思いがあれば必ず書いてください。
これ以外にも、「認知症の症状が重度になった時には施設に入れてほしい」や「重大な病気になった時は病名・余命を知らせてほしい」、「延命治療はしないでほしい」といった大事なことは書いてください。
このように自分の最後の生き方を決める重要なことは自分で決めてください。
これらを家族に任せると家族はとても悩み、困ることになります。
3.②誰にどのようなことを任せたいか
介護期間に、誰に何をしてほしいのかということは必ず書いてください。
例えば、「介護がはじまったら娘夫婦に介護してほしい」という思いがあれば必ず書いてください。
これ以外にも自分が好きな食べ物や趣味を書いておき、介護期間であってもそれらに触れられるような環境を準備してもらいたいことを書いておきます。
また、介護の症状が進んだ場合も考えることが必要です。
最初は娘夫婦に介護してもらいたいが、「つらくなったらヘルパーさんに頼んでほしい」や「施設に入る手続きをしてほしい」といったことも合わせて書いてください。
4.③自分が亡くなった後に託したいこと
介護期間以外でも自分のお葬式に呼んで欲しい人やお葬式で使ってほしい写真など家族に任せるより自分で決めた方が良いことはあります。
例えば、「喪主は○○に任せたい」や「お墓の管理は○○に任せたい」といった大事なことは書いてください。
なお、財産を家族にどのように分けるかを決めている場合はエンディングノートではなく、遺言書を書いてください。
(エンディングノートには法的な力がないので、預金の解約や不動産の名義変更等の手続きができないためです)
5.おわりに
今回の内容を踏まえたエンディングノートの記載例をのせておきます。
何を書くか悩んでエンディングノートを書き始められない人は参考にしてください。
日頃何気なく考えていることや自分の思いを文字にすることで気持ちが整理され、これまで気が付かなかったことを発見することもあるかもしれません。
エンディングノートをこれからの人生をどう過ごすか考えるきっかけにしてください。
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