┃相続コラム | |
近年の高齢社会を見据え相続法の大きな見直しが行われました。 相続コラムでは、相続に関連する最新のあらゆるトピックをお届けいたします。 税理士の視点から分かりやすく解説し皆様のお役に立つコラムにしてまいります。 |
こんにちは、税理士・公認会計士の佐々木彰です。
今回は、終活をはじめようと思っている人に知ってほしいエンディングノートについて紹介します。
最近は書店などでエンディングノートに関する書籍を見る機会は多くあります。
しかし中身をいくつか確認しましたが、エンディングノートを書籍にしようとするとどうしても記載内容・項目が多くなり、ほとんどの人にとって不要なページがでてきてしまいます。
エンディングノートを購入するようなやる気がある人でも結局途中で挫折してしまい、書かずに終わってしまうケースを見ます。
せっかく終活と向き合おうとしたのに、とてももったいないと思います。
そんな思いから、TOS佐々木会計では独自のエンディングノートを作成しました。
内容は本当に大事なものに絞りました。
これさえあれば、書いた人の思いが残される家族にしっかりと伝わると思います。
1.エンディングノートには何を書くのか
エンディングノートとは「自分が病気や認知症または亡くなる前に、残される家族や親しい人に向けたメッセージ」のことです。
これだけ聞くと、「遺言書と同じようなもの」と感じるかもしれません。
遺言書は法律で定められた書き方が決まっており、書くことができる内容も、主に財産に関する内容と決まっています。
そして遺言書の内容通りに財産を分けさせることができるという法的効力を持ちます。
一方、エンディングノートには法的効力がありませんので、エンディングノートの内容通りに行動してくれるかは家族の気持ち次第になります。
では法的拘束力のないエンディングノートをなぜ書かなければならないのでしょうか?
その理由についてご紹介します。
2.なぜ終活でエンディングノートを書くのか
なぜエンディングノートを書くのかというと
①「介護が必要な期間をどう生きるのか」ということがとても重要になってきたためです。
〇平均寿命と健康寿命の比較
平均寿命:厚生労働省HP「簡易生命表」より
健康寿命:国立健康・栄養研究所HP「健康日本21(第二次)分析評価事業より
このように、健康寿命から平均寿命まで10年前後あります。
この期間をいかに「好きなように生きることができるようにしておくか」ということが人生100年時代の新たな問題になっています。
②「エンディングノートには法律に縛られない自由な内容を、あなたの心の赴くままに書くことができるからです」
例えば、エンディングノートを書くことで、これまでの生き方を振り返り、ご自身のこれからについて向き合うきっかけになるかもしれません。
自分が介護されている姿を想像することや人生の最後の瞬間を考えることは辛いことです。
しかし、それをしっかりと受け止めたうえで、限りある人生を大切に、楽しく過ごしてほしいと私たちTOS佐々木会計は考えています。
3.TOS佐々木会計の考えるエンディングノート
TOS佐々木会計作成のエンディングノートは以下をクリックしてください。
私たちTOS佐々木会計はエンディングノートには2つの内容を書くべきであると考えています。
ひとつ目は
「生前に受けたい介護・医療、またどのような葬儀をしてほしいか」といった「元気なうちから家族に宣言しておく(家族に読んで欲しい)」エンディングノートです。
このエンディングノートは書き終わったら家族に読んでもらいます。
具体的な内容は
1介護がはじまったら
2医療(重大な病気になったら)
3葬儀・お墓の希望
の3つです
ふたつ目は
「親しいからこそ伝えにくいようなメッセージや自分が大切にしてきたもの」といった「お別れした後に家族に読んで欲しい」エンディングノートです。
このエンディングノートは自分が亡くなった後に家族に読んでもらいます。
具体的な内容は
1大切な人へのメッセージ
2自分の人生を振り返って(好きなこと・楽しかった思い出など)
3財産などについて
4遺言書について
5大切なものについて(自分が大切にしてきたものをどうしてほしいか)
の5つです
4.なぜエンディングノートを2冊に分けたのか
昨今の終活ブームにより多くのエンディングノートが存在しますが、「1冊」にまとまっているエンディングノートが大半です。
TOS佐々木会計が数々の終活・相続をお手伝いしていくうちに、エンディングノートとして書いた内容の一部は、生きている間に家族に読んでもらった方が良いと考えるようになりました。
例えば、自分がどのような医療や介護を受けたいかといったことは事前に伝えておかなければ意味がありません。
しかし、反対に自分が亡くなった後に読んで欲しい内容も書いてあります。
例えば、自分が遺言書を書いたかどうかといったことや自分がどのような財産を持っているかといったことは、自分が亡くなった後に残された家族が知ればよい内容であり、逆に生前に読まれることによって家族の相続争いのきっかけになってしまうかもしれません。
このようなことからTOS佐々木会計ではエンディングノートを2冊に分け、健やかな老後のために積極的に家族に宣言しておく内容と、反対に亡くなった後に家族・親しい人だけに知っておいてほしい内容を区別することが最適であるという結論に至りました。
5.おわりに
日頃何気なく考えていることや、自分の思いを文字にすることで気持ちが整理され、これまで気が付かなかったことを発見することもあるかもしれません。
これからの人生をどう過ごすか、考えるきっかけにしてください。
また、年齢や周りの状況によって、人は変化するものです。
定期的にノートを見直し、その時のご自身の気持ちとノートに書きこんである内容に違いが生まれていたら新しく書き直すことをおすすめします。
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