┃相続コラム | |
近年の高齢社会を見据え相続法の大きな見直しが行われました。 相続コラムでは、相続に関連する最新のあらゆるトピックをお届けいたします。 税理士の視点から分かりやすく解説し皆様のお役に立つコラムにしてまいります。 |
こんにちは、税理士の佐々木彰です。
香典に新札を使ってはいけないマナーがあることをご存知でしょうか。
これは、故人の不幸を予期して用意したとみなされないようにするためです。
このようなマナーがある日本ではどうしても、身内であっても死に対する話はタブー視され、一般的に相続対策を十分に行ってから亡くなる方は多くないように思います。
また認知症が進行し、十分に相続対策ができなかったケースも多数あります。
今回は相続までに十分な準備ができなかった場合、亡くなった後でどのような節税ができるか紹介します。
ただし、相続対策・節税の基本は「生前贈与を組み合わせた事前対策」ですので、やれることは大分限られてしまいます。
その中で有効な方法をご自身の財産の状況から選択してください。
1.自分でできる節税方法
まず専門家に頼らず、自分でできる節税方法として次の2つがあります。
① 葬式費用や入院代等の領収書を保管しておく
これらの金額は相続税の計算において、財産の総額から控除することができます。他の税金でいうと「経費」のような扱いです。
注意としては、医療費の領収書等は再発行しない病院もあるので失くさないようにしなければなりません。
またお布施や心付け等では領収書がもらえない場合もあります。
そのような時は支払日や支払額、その内容をメモで残しておいてください。メモがあれば控除できます。
② 10年以内に相続があった場合(相似相続控除)
10年以内に前回の相続があった場合は、その際に納めた相続税の一部を控除できる制度があります。これを相似相続控除といいます。
注意としては、この制度を活用するためには相続税の申告時に「第7表」を添付することが必要です(第7表がわからない人は税務署のHPか税理士等の専門家にご確認ください)。
2.専門家と協力した方が良い節税方法
次に税理士等の専門家と協力して行う節税方法として次の2つがあります。
① 遺産分割の方法のアドバイスをもらう
相続税の金額は、「誰」が「どんな財産」を相続するかで変動します。
例えば、配偶者が相続する場合は、1億6千万円まで税金がかかりません。これを配偶者の税額軽減といいます。
他にも小規模宅地等の特例といった、最大で80%も土地の評価を減額できる制度もあります(土地の評価が減額されると、納める税金も少なくなります)。
これらの制度を使えば今回の相続税の節税はできます。ここまでであれば税理士等がいなくてもご自身でできるかもしれません。
しかし、次の相続(2次相続)まで考えての遺産分割の方法については税理士等のアドバイスを聞いておいた方が良いと思います。
この際、ご自身の思いをしっかり税理士等に伝え、その中で節税対策のアドバイスをもらうことが大事です。
個人的には「相続人に配偶者がいるケース(故人と世代が近いので次の相続が近いうちに起きる可能性がある)」は遺産分割の方法を税理等に聞いてみて、参考にする方法もあると思います(遺産分割の基本はそれぞれの相続人が納得するかですが…)。
② 土地の評価を依頼する
これは、土地の評価額が単純に「路線価×地積」で出ないからです。
土地の形が歪んでいれば評価額を減額する方法もあり、非常に複雑かつ専門的な知識が必要です。
土地の評価を自分で計算する場合、専門家の計算した金額より高くなるケースとなるのが通常です。
自宅を持っているまたは分譲マンションを購入している場合は専門家の利用を検討してください。
3.早くから節税対策しておけば良かったと思わないように
繰り返しになりますが、相続対策の基本は事前準備なので、相続が起こってからでも間に合う効果的な方法は多くはありません。
早くから相続対策がでていたら、毎年非課税枠内で贈与するといったこともでき、確実に相続税を少なくすることができます。
4.おわりに
TOS佐々木会計は、事前の相続税対策だけでなく、相続がはじまってから(亡くなってから)の相談も受け付けております。
「どういう遺産分割をすれば相続税が少なくなるか」といった疑問があれば、ぜひTOS佐々木会計までお気軽にお問合せください。
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