![]() |
┃相続コラム |
| 近年の高齢社会を見据え相続法の大きな見直しが行われました。 相続コラムでは、相続に関連する最新のあらゆるトピックをお届けいたします。 税理士の視点から分かりやすく解説し皆様のお役に立つコラムにしてまいります。 |

こんにちは、横浜市南区井土ヶ谷で相続と老後の財産管理のご相談を承っている、3代目税理士・公認会計士の佐々木彰です。
今回のコラムでは、相続税申告における「債務」と「葬式費用」についてお話しします。
相続税は、亡くなった方が残した預貯金、不動産、有価証券などの財産をもとに計算します。
ただし、亡くなった方に借入金や未払金があった場合には、一定のものを相続財産から差し引くことができます。
また、相続人が負担した葬儀費用についても、一定の範囲で相続財産から差し引くことができます。
一方で、葬儀に関係する支出であれば、すべて差し引けるわけではありません。
今回は、相続財産から差し引けるものと差し引けないものを、わかりやすく整理します。
まだエンディングノートをお持ちでない人はTOS佐々木会計のエンディングノートをご利用ください(2種類のエンディングノートになっております)
1.相続税の債務控除とは
相続税は、亡くなった方のプラスの財産だけを合計して計算するものではありません。
亡くなった方が残した借入金や未払金などのうち、一定のものは相続財産から差し引くことができます。
これを一般に「債務控除」といいます。
たとえば、亡くなった方に次の財産と債務があったとします。
預貯金 3,000万円
不動産 3,000万円
借入金 1,000万円
この場合、財産6,000万円から借入金1,000万円を差し引き、原則として5,000万円をもとに相続税を計算します。
さらに、控除対象となる葬式費用が200万円あれば、4,800万円をもとに計算することになります。
このように、債務や葬式費用を正しく確認することは、相続税を適切に計算するうえで重要です。
2.相続財産から差し引ける主な債務
相続財産から差し引くことができるのは、原則として、亡くなった時点で実際に存在し、支払うことが確実な債務です。
主なものには、次のようなものがあります。
① 金融機関からの借入金
住宅ローン、アパートローン、事業用借入金など、死亡時点で残っている借入金は、原則として控除対象になります。
ただし、住宅ローンに団体信用生命保険が付いており、死亡によってローンが完済される場合には、相続人が引き継ぐ債務は残りません。
借入金残高だけでなく、保険の有無も確認する必要があります。
② 医療費や介護費用の未払金
亡くなる前の入院費、治療費、介護施設利用料などで、死亡時点で未払いだったものも、原則として控除対象になります。
死亡後に相続人が支払った場合でも、その内容が亡くなった方の生前の医療費や介護費用であれば、対象となる可能性があります。
③ クレジットカードや生活費の未払金
亡くなった方が生前に利用したクレジットカード代金や、電気、ガス、水道、電話料金などの未払分も、対象になることがあります。
死亡後に引き落とされた費用については、死亡前の利用分か、死亡後の利用分かを確認します。
④ 未納となっている税金
亡くなった方が納めるべき所得税、住民税、固定資産税などで、まだ納付されていなかったものも、控除対象となることがあります。
死亡後に納税通知書が届いた場合でも、誰に対して課された税金なのかを確認することが大切です。
3.相続財産から差し引ける葬式費用
葬式費用は、亡くなった方が生前に残した債務ではありません。
しかし、相続税の計算では、一定の葬式費用を相続財産から差し引くことが認められています。
主なものは、次のとおりです。
● 葬儀会社へ支払った費用
● 通夜、告別式、火葬の費用
● 祭壇、棺、会場使用料
● 遺体や遺骨の搬送費用
● 通夜や告別式の飲食費
● お寺への読経料、戒名料、お布施
● 埋葬や納骨に必要な費用
ただし、葬儀会社の請求書には、控除できる費用と控除できない費用が一緒に記載されていることがあります。
請求総額だけで判断せず、明細を確認することが大切です。
4.差し引くことができない主な費用
相続や葬儀に関係する支出でも、相続税の計算上、差し引くことができないものがあります。
代表的なものは、次のとおりです。
① 香典返しの費用
香典をいただいた方への返礼品にかかった費用は、原則として葬式費用には含まれません。
葬儀当日に参列者へ一律に渡す会葬御礼品と、後日贈る香典返しでは取り扱いが異なる場合があるため、内容を確認します。
② 墓地、墓石、仏壇などの購入費用
墓地、墓石、仏壇、仏具などの購入費用は、原則として葬式費用として差し引くことはできません。
葬儀後すぐに購入した場合でも、同じ取り扱いです。
③ 初七日、四十九日などの法要費用
初七日、四十九日、一周忌などの法要にかかった費用は、原則として控除対象になりません。
葬儀と初七日法要を同じ日に行った場合には、請求書の内訳を確認する必要があります。
④ 相続手続きのための費用
相続税申告の税理士報酬、不動産の名義変更費用、遺品整理費用、弁護士費用などは、通常、亡くなった時点で存在していた債務ではありません。
そのため、原則として債務控除の対象にはなりません。
5.領収書がない場合の対応
葬式費用を相続財産から差し引くためには、支払った事実と金額が確認できる資料を残しておくことが大切です。
葬儀会社、火葬場、飲食店などから受け取った請求書や領収書は、まとめて保管しておきましょう。
一方、お寺へのお布施や読経料については、領収書が発行されないこともあります。
その場合には、次の内容を記録しておくことをおすすめします。
● 支払った日
● 支払先
● 支払った金額
● 支払った目的
● 支払った人
● 支払方法
領収書がないからといって、直ちに控除できなくなるわけではありません。
大切なのは、その費用が実際に支払われ、葬式に通常必要な費用だったことを説明できるようにしておくことです。
6.まとめ
相続税を正しく計算するためには、預貯金や不動産などの財産だけでなく、借入金、未払金、税金、医療費、葬式費用なども確認する必要があります。
相続財産から差し引ける可能性がある主なものは、次のとおりです。
● 金融機関からの借入金
● 医療費や介護費用の未払金
● クレジットカードや生活費の未払金
● 一定の未納税金
● 葬儀会社への支払費用
● 火葬、埋葬、納骨の費用
● お布施や読経料
一方で、香典返し、墓石や仏壇の購入費用、法要費用、相続手続きのための専門家報酬などは、原則として差し引くことができません。
実際には、一つの請求書の中に、控除できる費用とできない費用が混在していることがあります。
「葬儀に関係する費用だからすべて差し引ける」と考えず、支出内容を一つずつ確認することが大切です。
相続が発生した直後は、葬儀や各種手続きに追われ、請求書や領収書の整理まで手が回らないことがあります。
そのため、葬儀関係の資料は専用の封筒やファイルを用意し、まとめて保管しておくことをおすすめします。
「どの費用を相続財産から差し引けるのか分からない」
「葬儀会社の請求書に、控除できるものとできないものが混在している」
「死亡後に届いた税金や医療費の請求書をどう扱えばよいか分からない」
という方は、相続税申告の準備段階で税理士に確認することをおすすめします。
TOS佐々木会計では、横浜市南区井土ヶ谷の税理士法人として、相続財産の整理、不動産評価、債務・葬式費用の確認、相続税申告までサポートしています。
相続税申告が必要かどうか分からない方も、まずは現在分かっている財産や債務、葬儀関係の資料を整理するところから始めてみましょう。
[ 相続税申告のご相談はこちら ]
![]() |
前のコラム | ![]() |
||
| 相続税申告は10か月以内|横浜市南区で相続が発生した方が知っておきたい期限と注意点 |
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
税理士法人 TOS佐々木会計
〒232-0051
横浜市南区井土ヶ谷上町21番16号
電話:045(741)3921




