こんにちは横浜で安心な相続のお手伝いをしている税理士・公認会計士の佐々木彰です。

今回のコラムでは、「そろそろ考えなければ」と感じている、“親の相続”にまつわる準備についてお話しします。

親が元気なうちに何かしておくべきなのは分かっているけれど、何から手をつければいいか分からない・・・。

そんな声にお応えして、

● 金銭的なメリット

● 争い回避

● 家族の安心

という３つの視点から、今すぐ取り組める“相続準備”をご紹介します。

１．「まだ早い」と後悔した相談事例

実際に私のもとに寄せられた相談です。

ケース①｜横浜市・５０代男性

「父が突然倒れて、通帳がどこにあるかも分からず・・・」

⇒ 財産を把握していなかったため、生活費の確保が最初の壁に。認知症が進行して任意後見も使えず、家族の心理的負担が大きかった。

ケース②｜世田谷区・６０代女性（姉）と川崎市・５０代男性（弟）

「父の遺産を兄弟で分けるとき、実家の評価をめぐって揉めてしまった」

⇒ 親は「仲のいい兄弟だから大丈夫」と遺言書を作らず。結果、不動産をめぐって遺産分割協議が長期化。調停寸前に・・・。

２．準備①：財産の“見える化”で、節税と安心を

どんな準備？

・銀行口座・不動産・証券会社・保険会社などのリストアップ

・過去の贈与履歴、保険受取人の確認

・不動産の名義や固定資産評価額を明確にしておく

事例｜茅ヶ崎市・５０代男性

「母の通帳が３つもあって、ひとつは使われていないまま。保険も２社に加入していたけど、片方は内容が重複していた」

⇒ リストを整理して、不要な保険を解約し、支出を年間１０万円削減。ついでに相続税対策の保険にも切り替え、非課税枠（５００万円×法定相続人）も活用。

金銭的メリット

・課税財産の適正化による相続税軽減

・保険や不動産の見直しで支出削減

・遺産分割トラブルの火種を未然に消せる

３．準備②：意思の“見える化”で、争いを防ぐ

どんな準備？

・公正証書遺言を作成（最低限）

・エンディングノートで「誰に、どの財産を」「介護はどうしてほしいか」を記録

・家族での話し合いの場づくり

事例｜横浜市・６０代男性

「母の遺言書があったおかげで、不動産を私が、金融資産を弟が・・・とスムーズに分けられた」

⇒ さらに、母がエンディングノートで葬儀の希望や親族への感謝も残しており、家族全員が納得して見送れた。

争いを防ぐメリット

・不公平感を減らし、感情のもつれを防ぐ

・遺言書があることで、相続手続きの手間と時間が大幅に短縮

・家族が「本人の意思を尊重できた」と納得できる

４．準備③：手続きの“整備”で、子どもの負担を軽く

どんな準備？

・任意後見契約で判断力低下後の財産管理を任せておく

・紛失しがちな書類（登記・保険・戸籍）の保管場所を家族と共有

・相続税のシミュレーションをして、納税資金を用意しておく

事例｜川崎市・５０代男性

「父が後見契約をしていたおかげで、施設入所の費用もスムーズに支払えた。さらに納税資金用の保険も準備済みだった」

⇒ 手続きがスムーズに進み、兄弟間の連携も良好。「親が自分たちの負担まで考えてくれていたことに感謝しかない」と話されていました。

子どもの安心メリット

・いざという時に「何をすればいいか」が明確

・専門家とのつながりがあることで、慌てず冷静に動ける

・遺された人が、前向きな気持ちで生活を再開できる

５．まとめ：親子の対話がすべての始まり

６．おわりに

相続は、「いずれ」ではなく、「今」準備するものです。

そしてその準備は、亡くなった後の話ではなく、“生きている今を安心して過ごすための仕組み”でもあります。

「そろそろ考えるべきかな」と思ったその瞬間が、始めどき。

まずは、ご家族で小さな一歩を踏み出すことから始めませんか？

次回のコラムでは、「相続の話をどう切り出すか」―親との対話の始め方とタイミングについてご紹介します。

どうぞお楽しみに！

ご相談は、気兼ねなく、気軽に。

“あなたの家の身近な相談役”として、いつでもそばにいます。

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