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こんにちは。横浜市南区井土ヶ谷の3代目税理士・公認会計士、佐々木彰です。
「後継者がいないので、自分の代で会社を終わらせようと思っている」
そんなお話を聞くことがあります。
長年経営してきた会社です。
誰かに継いでもらいたいという気持ちもあれば、自分の代できれいに終わらせたいという考えもあるでしょう。
私は、廃業も社長が選んでよい経営判断の一つだと思っています。
ただし、ひとつ気になることがあります。
「廃業するかどうかは、まだ先になってから考えればいい」
と思っている社長が少なくないことです。
実は、会社を終える準備は、会社が元気なうちに始めた方がよい場合があります。
1.廃業は、失敗ではない
会社を廃業するというと、どこか後ろ向きな印象があるかもしれません。
しかし、必ずしもそうではありません。
長年、従業員を雇い、取引先との関係を築き、地域の中で事業を続けてきた。
その役割を果たしたうえで、自分の代で会社を終える。
これも一つの選択です。
大切なのは、「自分で終わる時期を決める」のか、「続けられなくなって終わる」のかという違いです。
会社に資金が残っていて、社長も元気なうちであれば、従業員や取引先への対応も含めて、時間をかけて準備できます。
反対に、資金がなくなってからでは、選べる方法が限られてしまいます。
2.会社を終えるにも、お金が必要
廃業すると決めても、すぐに会社を閉じられるわけではありません。
たとえば、
・従業員への給与や退職金
・借入金や買掛金の支払い
・店舗や事務所の原状回復
・リース契約の解約
・在庫や設備の処分
・税金や清算に必要な費用
などを確認する必要があります。
会社の資産を売却すればお金が入ることもありますが、帳簿に載っている金額で売れるとは限りません。
また、会社を清算しても借入金が残る場合には、社長個人の保証が問題になることもあります。
「今、会社を終えたら、最終的にいくらお金が残るのか」
この数字を知っておくことは、廃業を決めていない社長にとっても大切です。
3.会社を終えても、事業の一部は残せるかもしれない
もう一つ考えてほしいことがあります。
それは、会社を廃業することと、会社が持っているものをすべてなくすことは、必ずしも同じではないということです。
長年付き合ってきた取引先。
社員が身につけてきた技術。
機械や設備。
会社が培ってきた信用やノウハウ。
こうしたものの中には、別の会社や人に引き継げるものがあるかもしれません。
会社全体のM&Aは難しくても、事業の一部や設備などを引き継いでもらえる可能性があります。
もちろん、相手が見つかるとは限りません。
それでも、「会社は終えるが、残せるものはないだろうか」と考えることには意味があります。
4.今月、社長に考えてほしいこと
今月は、一つだけ考えてみてください。
「もし3年後に会社を終えるとしたら、何から準備するだろう?」
借入金は返せるだろうか。
従業員にはいつ、どう伝えるだろうか。
取引先の仕事は誰かに引き継げるだろうか。
そして、自分自身の引退後の生活はどうなるだろうか。
実際に3年後に廃業する必要はありません。
仮に期限を決めて考えることで、今の会社の状態や、これから準備しておくべきことが見えてきます。
5.まとめ
廃業は、決して失敗ではありません。
ただし、準備して終えるのと、選択肢を失ってから終えるのとでは、大きな違いがあります。
また、廃業を考える過程で、
「従業員に引き継げるかもしれない」
「M&Aという方法もあるかもしれない」
と気づくこともあります。
逆に、さまざまな方法を検討した結果、自分の代で終えることが最も納得できる結論になるかもしれません。
親族承継、従業員承継、M&A、廃業。
私は、どれか一つが正解だとは思っていません。
大切なのは、社長自身が、それぞれの可能性を知ったうえで決められることです。
会社が元気な今だからこそ、会社の終わり方についても一度考えてみてはいかがでしょうか。
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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