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こんにちは横浜市南区井土ヶ谷の3代目税理士・公認会計士の佐々木彰です。
「うちの会社はいずれ息子に継がせたい。でも、まだ早いと思っている。」
そう話す社長は少なくありません。
しかし、事業承継は“相続のタイミング”ではなく、“経営のバトンタッチ”のタイミングで考えるべきものです。
実際、スムーズに承継できた会社の多くは、10年前から準備を始めていたと言われます。
今日は、「まだ早い」と思っている今だからこそできる、
“後継者が成長し、会社が続いていくための3つの準備”をお伝えします。
目次
1.承継は「社長交代」ではなく「経営のバトンリレー」
「社長を譲る=引退」ではありません。
経営はマラソンのようなもので、バトンを“投げ渡す”のではなく“手渡す”ものです。
このとき大切なのは、
・経営判断の背景をどう共有するか
・お客様や社員への信頼をどう引き継ぐか
・会社の理念や価値観をどう言語化するか
この3つです。
単なる“社長交代”ではなく、“会社の思想をつなぐ作業”こそが本当の承継です。
2.後継者を育てるのは「任せる勇気」
後継者は、「経営を教わること」よりも「任されることで学ぶ」ことが多いものです。
最初から完璧に任せる必要はありません。
たとえば、
・部署単位の売上目標を任せてみる
・社員面談や仕入交渉など一部の業務を任せてみる
・定例会議での意思決定を後継者に先に話してもらう
失敗を恐れず、まずは小さな“任せ”から始めること。
「任せた経験」こそが、後継者の自信と覚悟を育てます。
3.数字を通して“経営を語る”習慣を
経営は「感覚」ではなく「数字」で見える化できます。
しかし、後継者が数字を“苦手”と感じているケースも多いです。
だからこそ、早いうちに「数字で話す練習」を始めておくことが重要です。
具体的には、
・月次の損益やキャッシュの流れを一緒に確認する
・“なぜこの投資を決断したのか”を数字の裏側で説明する
・来期の予算を一緒に作る
これを繰り返すことで、後継者は「数字で経営を語れる人」へと育っていきます。
数字を通じた対話こそ、親子間の感情論を越えた“経営会話”になります。
4.家族としてではなく、経営者として向き合う
承継が難航する多くの会社で見られるのが、「親子の関係のまま、経営の話をしてしまう」ことです。
家庭では“子ども”でも、会社では“次の経営者”。
たとえば会議の場では「経営者同士の対話」として接し、家庭では「家族としての関係」を大切にする。
この“場の切り替え”が、後継者の意識を変え、社長自身も安心してバトンを渡せる土台になります。
5.まとめ:承継準備の第一歩は「話すこと」から
事業承継の準備とは、特別なことではありません。
「いずれ継ぐ人」と「いずれ譲る人」が、少しずつ未来について“話すこと”から始まります。
まだ早い、と思っている今こそが、最も良いタイミングです。
会社の理念を次代に残すために、まずは“後継者との最初の対話”を始めてみませんか?
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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電話:045(741)3921
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