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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
11月号
子どもに事業を継がせたい。でも、“まだ早い”と思っている社長へ

子どもに事業を継がせたい。でも、“まだ早い”と思っている社長へ(経営コラム)のイメージ

こんにちは横浜市南区井土ヶ谷の3代目税理士・公認会計士の佐々木彰です。

「うちの会社はいずれ息子に継がせたい。でも、まだ早いと思っている。」

そう話す社長は少なくありません。

しかし、事業承継は“相続のタイミング”ではなく、“経営のバトンタッチ”のタイミングで考えるべきものです。

実際、スムーズに承継できた会社の多くは、10年前から準備を始めていたと言われます。

今日は、「まだ早い」と思っている今だからこそできる、

“後継者が成長し、会社が続いていくための3つの準備”をお伝えします。


1.承継は「社長交代」ではなく「経営のバトンリレー」

「社長を譲る=引退」ではありません。

経営はマラソンのようなもので、バトンを“投げ渡す”のではなく“手渡す”ものです。

このとき大切なのは、

・経営判断の背景をどう共有するか

・お客様や社員への信頼をどう引き継ぐか

・会社の理念や価値観をどう言語化するか

この3つです。

単なる“社長交代”ではなく、“会社の思想をつなぐ作業”こそが本当の承継です。


2.後継者を育てるのは「任せる勇気」

後継者は、「経営を教わること」よりも「任されることで学ぶ」ことが多いものです。

最初から完璧に任せる必要はありません。

たとえば、

・部署単位の売上目標を任せてみる

・社員面談や仕入交渉など一部の業務を任せてみる

・定例会議での意思決定を後継者に先に話してもらう

失敗を恐れず、まずは小さな“任せ”から始めること。

「任せた経験」こそが、後継者の自信と覚悟を育てます。


3.数字を通して“経営を語る”習慣を

経営は「感覚」ではなく「数字」で見える化できます。

しかし、後継者が数字を“苦手”と感じているケースも多いです。

だからこそ、早いうちに「数字で話す練習」を始めておくことが重要です。

具体的には、

・月次の損益やキャッシュの流れを一緒に確認する

・“なぜこの投資を決断したのか”を数字の裏側で説明する

・来期の予算を一緒に作る

これを繰り返すことで、後継者は「数字で経営を語れる人」へと育っていきます。

数字を通じた対話こそ、親子間の感情論を越えた“経営会話”になります。


4.家族としてではなく、経営者として向き合う

承継が難航する多くの会社で見られるのが、「親子の関係のまま、経営の話をしてしまう」ことです。

家庭では“子ども”でも、会社では“次の経営者”。

たとえば会議の場では「経営者同士の対話」として接し、家庭では「家族としての関係」を大切にする。

この“場の切り替え”が、後継者の意識を変え、社長自身も安心してバトンを渡せる土台になります。


5.まとめ:承継準備の第一歩は「話すこと」から

事業承継の準備とは、特別なことではありません。

「いずれ継ぐ人」と「いずれ譲る人」が、少しずつ未来について“話すこと”から始まります。

まだ早い、と思っている今こそが、最も良いタイミングです。

会社の理念を次代に残すために、まずは“後継者との最初の対話”を始めてみませんか?

2025/11/01
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