法人からSOHO・個人事業主まで・・・法人税から相続税まで。会社設立・登記・会計・申告・年末調整など税務に関することなら、横浜市の税理士法人 TOS佐々木会計

税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
7月号
銀行に頼らない経営は正しいのか?

こんにちは横浜市南区の税理士・公認会計士の佐々木彰です。

「できるだけ借金せず、自力で経営したい」── 多くの中小企業経営者がそう考えています。

もちろん堅実な姿勢は素晴らしいことです。

しかし、時には“借りないこと”が大きな機会損失や経営の足かせになることもあるのです。

今回は「借りるべきとき」「借りないリスク」「選択肢の広げ方」について一緒に考えてみましょう。


1.借金=悪、という思い込みが会社を苦しめる

「借金をしたら経営者失格」「無借金こそ健全経営」と考える方は少なくありません。

しかし、本当にそうでしょうか?

実際には、成長企業の多くが必要なときに適切な借入を行い、チャンスをつかんでいます。

むしろ「借りないことで経営の自由度を下げてしまっている」ケースも多いのです。

ある製造業の社長は、借入に慎重すぎてチャンスを逃しました。

大口の注文を受けたものの、仕入資金が足りず断念。

自己資金にこだわるあまり、売上を逃したのです。

借金は悪ではありません。

重要なのは、その使い道と返済計画です。

健全な借入は、企業の成長を支える重要なツールです。


2.借りないことで何が失われるか

資金が足りないまま事業を続けると、何が起こるでしょうか?

たとえば新しい設備投資ができなかったり、人手不足を解消できなかったり。

業務が滞ったり、品質が落ちたりして、顧客の信頼を失うリスクもあります。

また、資金的に余裕がないと、社員への待遇改善もままならず、人材流出を招くことにもなりかねません。

つまり、「借りない経営」は、結果的に「攻められない経営」になってしまい、ライバル企業に遅れを取る可能性もあるのです。


3.借りた資金で会社が強くなるケース

逆に、計画的な借入が企業の力を押し上げた事例もあります。

たとえば、ある建設会社は、借入金を活用して工事用機材を一括購入しました。

それまでは機材をレンタルしていましたが、コストが高く、繁忙期には確保も困難でした。

自社で機材を持つことで、コストは下がり、機動力も上がり、受注できる案件も増えました。

結果として、利益率が上がり、返済も計画通り。

借入が会社を一段階上のステージに押し上げる原動力となったのです。


4.銀行との上手な付き合い方

銀行との関係性は「いざというときに頼れる」ための準備です。

普段から適切な情報開示をし、信頼関係を築いておくことが重要です。

具体的には、毎月の試算表を提出したり、経営計画を共有したりすることで、銀行もあなたの会社を理解しやすくなります。

急な資金ニーズが発生したときにも、スムーズに対応してもらえる可能性が高まります。

借入は単なる「お金を借りる手段」ではなく、「信用をつくる手段」でもあるのです。


5.自社に合った資金調達の形とは?

資金調達は銀行融資だけではありません。

補助金や助成金、リース、ファクタリング、クラウドファンディングなど、さまざまな手段があります。

たとえば、短期的なキャッシュ確保が目的であればファクタリング、中長期の設備投資であればリースや銀行融資、といった使い分けも可能です。

重要なのは「なぜお金が必要か」「返済はどうするのか」という目的と手段を一致させること。

無理なく、かつ未来に向けた投資になる資金調達を選びましょう。


おわりに

借りることを怖がらず、自社にとって本当に必要な資金の使い道を見極めましょう。

お金を借りることは「守り」ではなく「攻め」のための手段になることもあるのです。

チャンスを活かせる体制を整えることで、会社の未来はもっと自由で明るくなります。

2025/07/01
to_top

ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

税理士法人 TOS佐々木会計

〒232-0051
横浜市南区井土ヶ谷上町21番16号
電話:045(741)3921

















お気軽にご連絡ください!
税理士法人 TOS佐々木会計
※電話にて回答できるご相談に限ります
受付時間:9:00~17:00
〒232-0051
横浜市南区井土ヶ谷上町21番16号