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こんにちは横浜市南区の税理士・公認会計士の佐々木彰です。
「できるだけ借金せず、自力で経営したい」── 多くの中小企業経営者がそう考えています。
もちろん堅実な姿勢は素晴らしいことです。
しかし、時には“借りないこと”が大きな機会損失や経営の足かせになることもあるのです。
今回は「借りるべきとき」「借りないリスク」「選択肢の広げ方」について一緒に考えてみましょう。
1.借金=悪、という思い込みが会社を苦しめる
「借金をしたら経営者失格」「無借金こそ健全経営」と考える方は少なくありません。
しかし、本当にそうでしょうか?
実際には、成長企業の多くが必要なときに適切な借入を行い、チャンスをつかんでいます。
むしろ「借りないことで経営の自由度を下げてしまっている」ケースも多いのです。
ある製造業の社長は、借入に慎重すぎてチャンスを逃しました。
大口の注文を受けたものの、仕入資金が足りず断念。
自己資金にこだわるあまり、売上を逃したのです。
借金は悪ではありません。
重要なのは、その使い道と返済計画です。
健全な借入は、企業の成長を支える重要なツールです。
2.借りないことで何が失われるか
資金が足りないまま事業を続けると、何が起こるでしょうか?
たとえば新しい設備投資ができなかったり、人手不足を解消できなかったり。
業務が滞ったり、品質が落ちたりして、顧客の信頼を失うリスクもあります。
また、資金的に余裕がないと、社員への待遇改善もままならず、人材流出を招くことにもなりかねません。
つまり、「借りない経営」は、結果的に「攻められない経営」になってしまい、ライバル企業に遅れを取る可能性もあるのです。
3.借りた資金で会社が強くなるケース
逆に、計画的な借入が企業の力を押し上げた事例もあります。
たとえば、ある建設会社は、借入金を活用して工事用機材を一括購入しました。
それまでは機材をレンタルしていましたが、コストが高く、繁忙期には確保も困難でした。
自社で機材を持つことで、コストは下がり、機動力も上がり、受注できる案件も増えました。
結果として、利益率が上がり、返済も計画通り。
借入が会社を一段階上のステージに押し上げる原動力となったのです。
4.銀行との上手な付き合い方
銀行との関係性は「いざというときに頼れる」ための準備です。
普段から適切な情報開示をし、信頼関係を築いておくことが重要です。
具体的には、毎月の試算表を提出したり、経営計画を共有したりすることで、銀行もあなたの会社を理解しやすくなります。
急な資金ニーズが発生したときにも、スムーズに対応してもらえる可能性が高まります。
借入は単なる「お金を借りる手段」ではなく、「信用をつくる手段」でもあるのです。
5.自社に合った資金調達の形とは?
資金調達は銀行融資だけではありません。
補助金や助成金、リース、ファクタリング、クラウドファンディングなど、さまざまな手段があります。
たとえば、短期的なキャッシュ確保が目的であればファクタリング、中長期の設備投資であればリースや銀行融資、といった使い分けも可能です。
重要なのは「なぜお金が必要か」「返済はどうするのか」という目的と手段を一致させること。
無理なく、かつ未来に向けた投資になる資金調達を選びましょう。
おわりに
借りることを怖がらず、自社にとって本当に必要な資金の使い道を見極めましょう。
お金を借りることは「守り」ではなく「攻め」のための手段になることもあるのです。
チャンスを活かせる体制を整えることで、会社の未来はもっと自由で明るくなります。
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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