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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
10月号
『特例承継計画』の提出忘れはございませんか?

『特例承継計画』の提出忘れはございませんか?(経営コラム)のイメージ

こんにちは、横浜の税理士・公認会計士の佐々木彰です。

今回は期限の迫る、特例事業承継税制についてテーマにしました。


1.事業承継税制とは

事業承継税制を活用すると、一定の要件を満たせば後継者が取得した自社株式にかかる贈与税や相続税の納税が猶予又は免除されます。

法人版の事業承継税制には「特例措置」と「一般措置」があり、それぞれ要件や適用範囲が異なります。

「特例措置」と「一般措置」の比較表は下記の通りです。

国税庁HPより


2.特例措置を適用するためには『特例承継計画』の提出が必須

法人版の事業承継税制における「特例措置」を適用するには、『特例承継計画』の事前提出が必須となります。

令和4年度税制改正により、『特例承継計画』の提出期限が令和5年3月31日から1年延長され令和6年3月31日とされましたが、なんと残り7ヵ月を切っています。

後々に「特例措置を適用したい」となっても、この『特例承継計画』の提出を忘れていると適用することができません。今一度、提出すべきか否か、ご検討ください。

法人版事業承継税制の申請から適用までのスケジュールを下記にまとめました。



3.まとめ

『特例承継計画』は特例措置を適用する場合に、「事前の提出」が必須となりますのでご注意ください。

なお、『特例承継計画』の提出期限は令和6年3月31日となりますが、特例措置の適用期間は令和9年12月31日までとなります。

最後に、『特例承継計画』を提出しても必ず特例措置を適用しなければならないのではなく、特例措置を適用しようとなった場合に事前の提出がないと適用できないという位置づけです。

将来的に特例措置を適用する可能性がある場合には、提出しておくことをお勧めします。

2023/10/01
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