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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
6月号
無申告だとどうなるのか

無申告だとどうなるのか(経営コラム)のイメージ

こんにちは、横浜の税理士・公認会計士の佐々木彰です。

今回は「無申告だとどうなるのか」がテーマです。

無申告だとこのようなことになってしまい大変だということを知ってほしいため今月はこのテーマにしました。

みなさんはこのようにならないよう期限内に申告してください。


1.無申告とはどういう状態か

「無申告」とは例えば個人事業主であれば3月15日までに確定申告をしなかった場合が該当します。

ちなみに個人の場合3月15日の期限の後に確定申告することを「期限後申告」といいます。


2.ペナルティ① 税金up

罰金にはいくつか種類があり、無申告加算税や重加算税、延滞税と呼ばれるものが科されます。

① 無申告加算税とは、申告期限までに申告を行わなかった時に発生する税金です。

本来の納税額 調査により指摘 調査通知後に
自分から申告
自主的に修正
 50万円まで
15%
10%
5%
 50万円を超えた額
20%
15%
5%

このようにたとえ申告期限に間に合わない場合であってもなるべく早く申告することで、無申告加算税を少なくすることができます。

② 重加算税とは、納税者が仮装・隠ぺいし、それに基づいて申告しなかった時に発生する税金です。

重加算税は、本来の納税額の40%となります。

③ さらに繰り返し無申告をする(過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがあるにも関わらず再度無申告と指摘される)と税率がさらに10%高くなります。

区分 1回目 繰り返し
 無申告加算税
15%(20%)
25%(30%)
 重加算税
40%
50%

④ 延滞税とは期限までに税金を納付しなかった時に発生する税金です。

期限の翌日から2か月間までは年利7.3%

2か月を超える期間は年利14.6%

となります


3.ペナルティ② 青色申告特別控除が65万円から10万円へdown

青色申告控除の65万円(電子申告していない場合等では55万円)は期限内に申告することが要件になっています。

そのため期限後申告をする場合においては10万円の青色申告特別控除になります。


4.ペナルティ③ 青色申告の承認の取り消し

2回連続して期限内に申告しないとき青色申告の承認が取り消されます。

そうなると多くのデメリットが生じます。

例えば法人であれば欠損金の控除繰越が使えなくなってしまいます。

さらに個人では青色申告特別控除が使えなくなります。


5.おわりに

無申告及び期限後申告をすることとなると大きなデメリットがあることがわかったと思います。

経営者やフリーランスの皆さんは期限内に申告するよう心掛けてください。

2022/06/01
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