こんにちは、税理士・公認会計士の佐々木彰です。
コロナ禍で外出できない時間を使って副業を始めた人が増えています。
その中で、中古品のネット取引をしている人は注意が必要です。
このネット取引が古物の取引に該当すると、「古物商許可」が必要となり、無許可で営業していた場合には罰則があります。
実際の店舗の有無は関係ありませんので、ネット取引でも注意が必要です。
今回は中古品の取引を行う際の注意点を紹介します。
目次
1.どんな罰則なのか
3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
(おそらく)副業の儲けが全てなくなってしまう可能性があるので、該当するなら許可申請をした方が良いです(手続きは4で)。
ちなみに、なぜ罰則等があるのかというと、盗品などの売買を防止や・盗品の速やかな発見するという、窃盗などの犯罪防止のためです。
2.そもそも中古品(古物)に該当するものは?
対象は古物営業法施行規則に定義されており、13品目に分類されています。
今回はその一例を紹介します。
古物に該当するもの
① 時計・宝石類
Ex 絵画、アンティーク
② 事務機器類
Ex パソコン、コピー機
③ 皮革・ゴム製品類
Ex 鞄、靴
④ 機械工具
Ex スマートフォン、タグレット、電化製品、ゲーム機
⑤ その他
金券、書籍など
3.古物商許可が必要な取引と不要な取引
次のような取引を営業目的で行うと古物商許可が必要になる可能性が有ります。
該当する取引
① 古物を買い取って国内で売る
② 古物を買い取って国外に輸出して売る
③ 古物を買い取って修理してから売る
など
逆に該当しない取引は次の取引です。
該当しない取引
① 自分で買った未使用の物を売る
② 新品を売る
③ 無償で譲り受けた物を売る
など
注意点としては、チケットの転売やマスクの転売といったものは別の法律等で規制されておいます。
4.古物商許可の申請方法
古物商許可を取得するためには古物商の主たる営業所(ネット副業であれば自宅)を管轄する警察署(を経由して公安委員会)に申請書類等を提出します。
細かい書類についてはここでは省略しますが、申請してから40日程度で許可が下ります。
5.副業は確定申告が必要です
サラリーマンをしながらであれば、年間の所得(売上代金から仕入代金等の経費を差し引いた金額)が20万円を超えた場合には、確定申告が必要です。
メルカリやヤフオク、eBayなどを利用している場合は、販売・購入の履歴が残っているのでそれを利用してください。
その他の経費(梱包代や郵送費)などは領収書などをしっかり保管しておいてください。
またマーケットの利用料(フィー)も経費になりますので、請求書やインボイスは捨てないでください。
6.輸出販売であれば、消費税が戻ってくるかも
eBayやAmazonを使った輸出販売の副業をしている場合には、日本国内で支払った経費に関する消費税部分が戻ってくるかもしれません。
そのためには消費税の「課税事業者」になる必要があります。
課税事業者になるには、税務署に届出書を提出する必要があります。
通常であれば、この届出書を今年中に出すことで来年から課税事業者になれます。
しかし、もし今年から副業を始めた人であれば、今年中に届出書を提出すれば今年から課税事業者になれます。
7.おわりに
今年から税制が変わりましたので確定申告で電子申告をしないと10万円損することになります。
→「来年の青色申告で10万円得する方法」(2020年3月号コラム)
今年も税理士による無料相談会などありますのでそのような会を利用する、もしくはご自分で国税庁のHPから確定申告してください。
国税庁のHPも見やすくなってきたので、一度みてから利用するかしないかを判断することをおススメします。
ただし、輸出取引(為替の影響があるので難易度高い)や自分で確定申告するのが面倒な人は税理士にご依頼するのが賢明です。
ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
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