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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
10月号
来年の固定資産税が減免されます(コロナ関連情報)

こんにちは、税理士・公認会計士の佐々木彰です。

今回は新型コロナウイルスにより業績が悪化した事業者への支援制度「固定資産税の減免」を紹介します。

この制度は税金の「猶予」ではなく「減免」ですので、該当したら税金を支払う必要がなくなります。

法人税などの納税猶予とは違いますので、条件に該当するなら必ずこの制度を利用しましょう。


1.概要

中小企業・小規模事業者の税負担を軽減するため、事業者の保有する建物や設備の令和3年度の固定資産税及び都市計画税を、事業収入の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2にすることができます。

ただし、無条件ではなく、各地方自治体(例えば横浜市)に申告する必要があります。

申告には一定の条件がありますので、ご自身で該当しているか確認してみてください。


2.対象者

対象者は①売上が減少している中小企業者・小規模事業者です。

売上が減少しているとは下の表のように「30%以上50%未満」もしくは「50%以上」減少していることが条件となります

令和2年2月から10月までの任意の連続する3か月間の事業収入(売上等)の対前年同期比 固定資産税等の減免率
30%以上50%未満
1/2
50%以上
全額免除

例えば、各月の事業収入(売上)が以下の様な会社の場合

10
令和元年
50
30
40
50
令和2年
20
15
20
まだ

・令和元年の7月から9月までの事業収入(売上)の合計

 50+30+40=120万円

・令和2年の7月から9月までの事業収入(売上)の合計

 20+15+20= 55万円

ポイントとしては、「合計額」をベースに比較します。

この場合、減少率が「50%以上」になるので、令和3年度の固定資産税は全額免除となります。

中小企業者・小規模事業者とは

・資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人

 もしくは

・資本又は出資を有しない法人又は個人は従業員1000人以下の場合

が該当します。


3.対象となる固定資産の範囲

事業用家屋と②償却資産が対象範囲になります。

事業用家屋とは

 事業用家屋とは建物等が該当します。

 例えば、工場などの建屋などのことです。

 個人の所有する居住用の建物(自宅)は対象外です。

償却資産について

 機械など事業の用に供する償却資産が該当します。


4.申告までの期限

令和3年1月31日までに横浜市などへの申告が必要です。


5.申告するための手続き

認定経営革新等支援機関等へ本特例措置の適用要件を満たしていることの確認を依頼する必要があります。条件に合うと思った時は、この認定経営革新支援機関に問い合せてください。

税理士の中には認定経営革新等支援機関になっている人もおりますので、顧問税理士がいる方は聞いてみてください。

もし顧問税理士がいないのであれば、

https://ninteishien.force.com/NSK_CertificationArea)で検索できます。

(ほとんど税理士か公認会計士だと思います)

もちろん、税理士法人TOS佐々木会計も認定経営革新等支援機関です(^^♪


6.注意

・残念ながら土地については対象になっていません(理由はわかりませんがQ&Aにしっかりと書いてあります)。

・持続化給付金といった給付金や補助金といったものは事業収入に該当しません。
純粋な売上部分で比較できます。

・持続化給付金などとは違い、必ず認定経営革新等支援機関に確認してもらう必要があり、事業者さん自身だけでは申告できません。

・認定経営革新等支援機関になっている税理士(税理士法人)に依頼する場合、1月というのは非常に忙しい繁忙期です。
可能であれば年内には相談しておいた方が良いかと思います。
(12月も年末でやっぱり忙しいので11月頃までに相談するのがベストです)

・あたりまえですが「固定資産税を払わなくていい」という制度なので、そもそもあんまり固定資産をもっていないという人・会社には大きなメリットになりにくいです。


7.おわりに

コロナに関する支援制度も打ち止め感がでてきました。

残り少ない制度を有効に利用して、経営に役立ててください。

経営革新等支援機関の税理士を知らない場合や自治体に提出する書類の作成方法・種類がわからないなどありましたら、下のお問い合わせフォームよりご質問ください。

2020/10/01
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