税理士の佐々木彰です。
今回は一番関与先様からお問い合わせの多い、持続化給付金をついて紹介します。
持続化給付金とは、新型コロナウイルスにより特に大きな影響を受けた会社・個人事業主が受け取ることができる制度で、返さなくても良いお金であるということが最大のメリットです。
法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円をもらえるかもしれません。
事業を継続させるためにぜひ活用してください。
※当コラムでは主に法人をベースに説明を行います。個人事業主の方は別途お問い合わせください(ほとんど同じなので概要が知りたい場合はこのコラムで確認してください)。
目次
1.もらえる条件
売上の減少の条件を満たせば、無利子化等のメリットを受けることができます(4月30日の補正予算により)
(1)新型コロナウイルスの影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している
(2)2019年以前から事業を営んでいる
ただし2019年に設立した会社用の特例があります
(3)資本金10億円未満(要は中小企業であればOKです)
2.もらえる給付金の金額の計算
条件を満たしていることが確認出来たら、次はいくらもらえるかを確認してください。
計算式は次の通りです。
前年度の売上-50%以上減った月の売上×12か月分
=給付額(法人200万円上限、個人事業主100万円上限)
前年度の売上とは、例えば3月決算の法人であれば「2019年4月から2020年3月までの売上の合計」のことです。
・計算例(3月決算法人の場合)各月とその売上
月 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 1 | 2 | 3 |
2019 | 50 | 30 | 40 | 50 | 40 | 40 | 50 | 50 | 30 | 40 | 50 | 50 |
2020 | 20 | 15 |
・2019年売上合計:520万円
・2020年の4月が50%以上減少している(もらえる条件をクリア)
520万円 - 20万円×12か月 = 280万円 > 200万円(上限)
この場合、給付額は200万円になります。
3.特例の方法を使っての計算方法
2の方法で計算できない法人もしくは200万円・100万円の満額に満たない場合ついて、特例の方法によれば給付額がもらえるor給付額が通常より増えるかもしれません。
(1)前年度の申告が終わっていないケース(コロナの影響で申告できない場合も含む)
(2)季節変動が大きい会社用の特例
2の計算で、① 200万円の上限に満たない会社で、② 季節によって売上が変動する会社が該当します。
(3)2019年に創業した、設立したばかりの会社
これらの計算方法については少し複雑になっております。
詳細を知りたい方は、当事務所までお問い合わせください。
4.申請手続きの概要
持続化給付金の申請用HPからの電子申請が必要です。
(1)提出書類:提出はPDF、JPG、PNG→スマホの写真を提出できます。
・前年度の確定申告書別表1
・法人事業概況説明書(表裏)
・申告したことの証明(e‐taxのメール詳細等)
・売上が50%以上減少している月の売上がわかるもの(ex会計ソフトやエクセルでまとめたもの)
・通帳の写し(銀行名、支店番号、支店名、口座種別、口座番号、口座名義(法人名もしくは代表者)が確認できるもの)
最低限これらの書類が必要となります。
→もし不明なものがあればお問い合わせください。
(2)申請期日:令和3年1月15日
(3)入力情報
法人番号、法人名、本店所在地等
5.実際に申請してわかったこと
5月1日から始まった持続化給付金について、いろいろわかってきたことがあります。
(1)申請が通ったら振り込まれるまで早い。ただし(いまのところ)通知は遅い。
テレビ等で報道の通り、2週間程度で振り込まれます。
ただいつ振り込まれたかの通知はメールされないようなので、2週間たったら自分で通帳等をチェックしてください。
なお入金後しばらくして給付の通知書が郵送で届きます。
(2)もし間違っていたとしても、メールで訂正すべきところを教えてくれる
再提出するにあたり、何を修正すればよいかわかります。もし2週間たっても振り込まれてなければメールをチェックしてください。
(3)予想通り、申請書作成は手間
雇用調整助成金ほどではありませんが、作成は大変で手間がかかります。
6.おわりに
繰り返しになりますが、給付金は返さなくて良いお金です。
件に該当する場合は、必ず申請してください。
今は大丈夫でもこの先はわかりません。ご検討をお願いします。
また申請にあたり不明な点等あれば、当事務所までお問い合わせください。
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