試験前日なのに部屋の掃除や模様替えをしてしまう。
多くの方が学生時代にこのような体験をしたことがあるのではないでしょうか。
実は、このような行動は試験勉強という嫌なことを先延ばしすることでストレスから逃れるという深層心理からきているそうです。
先延ばしにしてしまうことは、日常や仕事において誰にでも起こり得ることで、先延ばしの怖いところはそれが癖になってしまう恐れがあることなのです。
特にビジネスにおいて先延ばしが癖になってしまうと、面倒なことなどが先送りされるだけで仕事に対するモチベーションがどんどん下がっていくという負のループになる可能性があるので注意してください。
そして、先延ばしをしないようにするには、最初に先延ばしにしているということを認識することが大切だそうです。
さて、先延ばしといえば、税務の世界では不動産の登記を先延ばしにしてしまったことで、相続の際に面倒なことになったという事例をよく耳にします。
そこで、今回のコラムでは未登記不動産の注意点についてお知らせいたします。
■ 未登記不動産について
未登記不動産とは、主に相続などで不動産を譲り受けた人が、所有者の変更手続きをしないまま放置している不動産のことです。
日本全国の未登記不動産は、九州よりも広い約410万ヘクタールの土地にもなります。
また、土地の正確な所有者が分からないと国など自治体の用地買収ができずに公共事業が滞ってしまう可能性があるのです。
■ 未登記不動産の注意点
まず、未登記不動産は、その土地などを売ることや担保として融資を受けることができないため注意が必要です。
そのため、不動産を有効活用するためには改めて登記をしなければならず、登記をするためには相続人全員の同意が必要になります。
もし、自分以外の相続人が認知症になり判断能力が低下してしまった時や行方不明になってしまった時は、法的な同意を得るために様々な手続きが必要になり時間とコストが掛かるので注意してください。
さらには、不動産の権利が曖昧なままですと、不動産の所有権を違法に移転させる「地面師」の標的にもなりやすいので注意が必要です。
また、自分自身へのリスクだけはなく、数十年経っていると不動産登記を調べても本来の所有者が分からないことがあり、子孫に余計な負担を負わせてしまう可能性もあります。
未登記だったために相続人が不動産の存在に後から気づき、遺産分割協議をやり直したり、相続税の修正申告をしたりさせざるを得ない場合もあります。
相続が発生して間もない期間であれば、親族が集まることが多く同意を得やすいため相続時に登記をすることや登記が完了していない不動産があれば名義の変更をすることも相続対策の一つになります。
以上が、未登記不動産の注意点についてです。
ところで、先延ばしという行為は、その人の性格には関係なく誰しもが行ってしまう可能性がある行為なのだそうです。
ただし、ちょっとしたある習慣によって、先延ばししてしまうことへの対策になります。
それは、「まず動いてみる」ということで、たった5分でも良いのでやるべきことに取り掛かってみることが一番の対策になるのです。
皆様の中にも、とりあえずやってみたら頭で考えるよりも思いのほか作業がはかどったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最後に、「案ずるより産むが易し」ということわざもありますが、最初は作業の一部でも良いので「まずは動いてみる」という習慣を身に付けることが大事だと私は考えています。
今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。
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