「あれ、ハンバーグを頼んだのに餃子が出てきた」
もし皆様がレストランへ行った際、注文した料理と違うものが出てきたらどのように感じますか。
恐らく多くの方は、つい店員へ文句を言ってしまいたい感情になりますよね。
ところが、「注文をまちがえる料理店」という注文を間違えてしまうかもしれないレストランが巷で人気になっていることを皆様はご存知でしょうか。
このレストランは、認知症介護の関係者などが期間限定で立ち上げたもので、ホールスタッフ全員が認知症のためにこのような注文の間違えなどが起こってしまうのです。
自分の意図していない料理が運ばれてくるワクワク感を楽しむ来店客が多く、「別に間違えてもいい」という寛容な気持ちは、働く人とお客さんの双方に居心地の良い空間が作れると関係者の方は話していました。
近年は、ITや人工知能などの発展に伴い注文伝票の電子化により注文を間違えるということは少なくなったと思いますが、人間同士の関係だからこそ生まれるこのような空間は大切にしたいものですよね。
ところで、話は変わりますがITや人工知能などの発展といえば、金融や税務の世界ではフィンテックという言葉が話題になっているのを皆様はご存知でしょうか。
そこで、今回のコラムではフィンテックについて紹介いたします。
■ フィンテックとは
フィンテックとは、「finance(ファイナンス)」と「technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語で、IT技術を利用した金融サービスのことです。
海外では、以前より最新のIT技術を使い利便性を高めた多くの金融サービスが生まれてきました。
日本でも平成28年5月にフィンテックを始めとする金融制度の改正が可決され、今後は新しいサービスが生まれることでより便利になると期待されています。
■ フィンテックの実例
フィンテックの一例として、電子マネーや決済代行などがあり、決済代行はネットショッピングをする際のサービスとして昔から提供されています。
また、最近よく耳にするビットコインやネットバンキングなどは、ファインテックに関するサービスの一つになります。
■ フィンテックの将来
これからは、個人では家計簿アプリや法人ではクラウド型の会計ソフトといった財務管理に関するサービスなどが多く提供されることが予想されます。
スマートフォンを使った家計簿アプリでは、レシートをスマートフォンのカメラで撮影すれば自動的に家計簿に内容と金額が入力されるといったアプリが開発されているようです。
また、指紋認証との連携で将来は現金を持ちあるくことが不要になるかもしれないとも言われています。
■ フィンテックと税務
フィンテックによるキャッシュレス化や多数のクラウド会計サービスでのデータ連携により、税理士が行う業務に大きな影響を与えることが想定されます。
特に会計業務には現金や領収書などの資料を基に会計データを入力するという一般的な業務フローがありますが、電子化が進むことでこのような会計処理が不要になる可能性があります。
また、自動化が進むことで仕訳取引の多くが自動化で対応できるため、税理士の業務はより属人的なアドバイスや経営者との人間関係や信頼関係の構築に価値が置かれるようになると考えられています。
以上が、フィンテックについてです。
税務の世界でのITの活用は、計算処理などを正確に短時間で行う便利なツールの1つに過ぎません。
私も税理士という専門家としてITと共に進化しながら、人間だからこそできるアドバイスや信頼関係を大切にしながら皆様のお役に立てるよう努力してまいります。
最後に、私も寛容な気持ちを常に持ち、居心地の良い空間を作り出せる人間でいたいものです。
今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。
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