「終活」という言葉を皆様はご存知でしょうか。
この言葉は、安心して人生の終幕を迎えるために準備を行うことを指す週刊誌から生まれた造語です。
近年、「就活」や「婚活」のような「○活」という造語が増えているようですが、どの言葉もある目的に向けて積極的に活動するという前向きな意味で使われているようです。
人生の終幕と言いますと、どうしてもネガティブなイメージがしてしまうものです。
しかし、「終活」という目的に向けて積極的に活動するという造語は、どこかポジティブに捉えることができるので不思議ですよね。
現に今年初めの新聞記事によりますと、シニア世代の約8割の方がこの言葉を知っており、また、約7割以上の方が終活に前向きなのだそうです。
そこで、今回のコラムでは税理士の観点から見た終活についてお伝えいたします。
税務と関連のある終活については主に以下のようなことがあります。
■ 遺言書の作成
安心して人生の終幕を迎えるためには、残された大切なご家族が相続問題で争うことのないようにすることも大切です。
そのためには、遺言書を作成することで相続が争続にならないようしてください。
また、遺言書の種類は主に「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」がありますが、遺言能力などでの争いが避けられることや家庭裁判所での検認が不要なことからも公正証書遺言をお勧めいたします。
■ 生前贈与
ご家族のために少しでも多くの財産を残したいと考える方もいらっしゃると思います。
大切な財産を後世へ残す方法の1つとして、生前贈与という制度があります。
生前贈与とは生きている間に財産を譲ることで、贈与税の基礎控除や制度を活用して相続対策を行うことができます。
■ 任意後見制度
万が一、突然の認知症などで判断能力ができなくなってしまった場合にはご家族に迷惑を掛けてしまうかもしれません。
ご家族に迷惑を掛けないためにも任意後見制度による後見契約を結びいざという時に備えてください。
任意後見制度は、将来的に自己の判断能力が不十分な常況になった場合に備え、あらかじめ信頼できる者に対して希望する法律行為によるサポートを委任することができる制度です。
以上が、税理士の観点から見た終活についてです。
終活の第一歩は、エンディングノートを作成することで、人生の終幕に向け「何をしたい、どうしたい」ということを明確にすることだと言われています。
人生の終幕をどのように迎えたいかということを明確にすることで、これからの人生の活力や家族との関係や感謝について再認識できるきっかともなります。
皆様の人生という壮大な物語の終幕はまだ白紙の状態です。
私も税理士として、明日から終幕までの1ページ1ページが充実した理想の終幕にするためのお手伝いができるようにこれからも努力してまいります。
今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。
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