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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
8月号
養子縁組について

全国で梅雨が明け、猛暑日も増えいよいよ夏本番ですね。

夏と言えば怪談話を連想する方もいらっしゃると思いますが、その由来が歌舞伎なのを皆様はご存知でしょうか。

観客に夏の暑さを忘れさせるため歌舞伎の演目として怪談話を始めたのが、夏に怪談話が定着した由来と言われています。

歌舞伎の演目として怪談話は沢山ありますが、特に有名なのが「四谷怪談」ではないでしょうか。

「四谷怪談」は、現在もお岩さんの祟り(たたり)として多くのお芝居や映画などで語り継がれています。

また、「四谷怪談」を演じる者は上演前に必ずお岩さんを祀る(まつる)稲荷などに参拝することが今現在も引き継がれているそうです。

現代歌舞伎の立役者である初代中村吉右衛門の弟子が、参拝を忘れてしまったため実際にお岩さんの祟り(たたり)にあってしまったというのは歌舞伎好きの間では有名な話のようです。

ところで、初代中村吉右衛門といえば、どんな役でも懸命に演じたため舞台で唾がよく飛ぶことが有名で、文化勲章も受章した名優です。

特に大正時代には、六代目尾上菊五郎と共に「菊吉時代」を築き、とても人気を博した歌舞伎役者でした。

また、初代中村吉右衛門には跡取りがいなかったというのも有名な話だそうです。

歌舞伎は世襲制であることは皆様もご存知だと思いますが、歌舞伎役者になるためには歌舞伎の家系に男の子として生まれなければならないのです。

そのため、初代中村吉右衛門は養子をもらうことで、中村吉右衛門の名前を後世に残したのです。

そこで、今回のコラムでは養子縁組についてお伝えします。

■ 養子縁組とは

養子縁組とは、血の繋がりのない親子間に法的に親子関係を創設する法律行為のことです。

養子縁組を行うことで、法的にも自然血族と同様の親族関係が生じます。

■ 養子縁組の種類

養子縁組には、特別養子縁組と普通養子縁組の2つあります。

1:特別養子縁組

特別養子縁組とは、養子が戸籍上も実親との親子関係を断ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いにする縁組のことです。

2:普通養子縁組

普通養子縁組とは、養子が実親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係をつくるという二重の親子関係となる縁組のことです。

■ 特別養子縁組と普通養子縁組の主な違い

・養子の年齢

特別養子縁組:申し立て時点で原則6歳未満

普通養子縁組:養親よりも年少者

・養親の年齢

特別養子縁組:婚姻している夫婦であり一方が25歳以上で、もう一方が20歳以上

普通養子縁組:成年に達した者 ※未婚者でも可能

・実親との関係

特別養子縁組:終了

普通養子縁組:継続

・親子関係

特別養子縁組:実親子関係に準じた関係

普通養子縁組:養親子関係

・養子縁組の成立

特別養子縁組:家庭裁判所の審判を受けて成立

普通養子縁組:当事者の合意と届出

■ 相続税と養子縁組

・主な税法上との関係について

・基礎控除額が増える

・適用税率が下がる

・生命保険、死亡退職金の非課税枠が広がる など

以上が、養子縁組についてです。

初代中村吉右衛門の養子である2代目中村吉右衛門も、現在の歌舞伎界の重鎮と言われ、人間国宝にも認定された名優です。

そんな2代目中村吉右衛門は「まだまだ歌舞伎は未完成。もっともっと完成度の高い素晴らしいものにできる。」と語っていました。

私は、人間国宝にまでなった人物がまだまだ上を目指そうとしている姿を見て、とても頭が下がる想いと共に自分も税理士としてより一層の貢献をしたいと感じました。

今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2015/08/01
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