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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
10月号
サンクコストについて

静まり返る会場に響き渡る

「トーキョー」

という声と同時に沸き起こる大歓声と感動の涙。

日本中が注目したオリンピック開催地決定の瞬間をリアルタイムで見るために寝不足になってしまった方も多かったのではないでしょうか。

経済効果や地元の大声援を受けての日本人選手の活躍など、早くも期待が高まります。

また、今回の五輪誘致で話題となった言葉に「おもてなし」というのがありました。

日本人の美徳である「おもてなし」をプレゼンテーションで紹介したことは、誘致が成功した要因の1つとも言われています。

この「おもてなし」も「もったいない」と同様に国際語になると、日本人としては嬉しい限りですね。

話は変わりますが、この「もったいない」が、経済学では合理的ではないと考えられていることを皆さまはご存知でしょうか。

そこで、今回のコラムではサンクコストについてお伝えしたいと思います。

サンクコストとは「埋没費用」ともいい、一言で説明すると「もう回収することができない(戻ってこない)費用」のことです。

経済学では、今後の意思決定においては将来の費用と便益だけを考慮に入れるべきで、このサンクコストのことを考えてはいけないと教えています。

例えば、チケットを購入して映画を観ていたが、途中でつまらないと思った場合、皆様は途中で退出しますか、それとも最後まで映画を観ますか。

大抵の方は「せっかくチケットを購入したから途中退出するのはもったいない」と思うでしょう。

しかし、ここで考えるべきなのは「チケット代」ではなく「時間」なのです。

つまらない映画を見続けて無駄な時間を費やすよりも、別の楽しいことに時間を費やすという選択の方が経済学的には合理的なのです。

余談ですが、帰宅時にタクシーを利用したがちょうど家の前で料金メーターが上がってしまい、もったいないからワンメーター分先で降りて歩いて帰宅したというような話を聞いたことがあります。

このように「サンクコスト」に惑わされ、もったいないとか元を取ろうという心情から非合理的な選択をしてしまうことを「サンクコストの呪縛」と呼びます。

特にビジネスなど、今までの投資金額が大きいほど「サンクコストの呪縛」に陥りやすく、時には経営判断を誤らせることもあるので注意してください。

以上が、サンクコストについてです。

最後に、普段の生活においてもサンクコストの概念を少し意識すると、また違った考え方ができて面白いのではないでしょうか。

私は、あと少しでポイントが全て貯まる時や有効期限が迫っているポイントがあると、ついもったいないと思ってお店に足を運んでしまいますがね。

今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2013/10/01
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