先日、暖かく穏やかな日差しに春の訪れを感じながら、
事務所の近所を歩いていた時のことです。
「キュ!キュ!キュキュ!」
という、弱々しくも必死さが伝わってくる鳴き声が聞こえてきました。
ふと興味が湧き、周囲を見廻してみたところ、なんと民家の軒先にツバメの巣があるのを発見したのです。
その巣から飛び出しそうな勢いで大きな口をあけて鳴き続けている数匹のヒナの姿はあまりに可愛らしく、自然とその場に立ち止り暫く眺めてしまいました。
ヒナの可愛らしさに心を癒されるのと同時に、ふと気付いたら、せっせと何度も餌を運ぶ親鳥の姿が自身の子育ての想い出と重なり、とても懐かしい気持ちにもなっていました。
※余談ですが、ある観測結果によると親鳥は1日に600回以上も餌を運んでいたそうです
ところで、みなさんはツバメの住宅事情をご存時ですか?
この季節になると、夫婦で協力してせっせと枝を集めている印象が強いため、毎年新築しているイメージがありますが、実は約半数のツバメは古い巣をリフォームして利用しているそうです。
一生懸命子育てをしたり、子供が安心して暮らせる家を新築するかリフォームするか検討してみたり・・・
親ツバメを見ていると自分の子育てを思い出すのは、人間とそっくりな親心を感じるからなのかも知れませんね。
税務の世界でも、子供の将来に役立つ情報がいろいろとあります。
そこで、今回のコラムでは相続税・贈与税の改正に伴う相続対策についてお知らせいたします。
平成25年の税制改正で、相続税が増税されることになりました。
今回の改正によって相続税の対象となる人が増えることになりますので、早めに相続対策を検討することをお勧めします。
主な相続対策は、以下のとおりです。
■ 遺言書の作成
相続対策というと、節税のことを思い浮かべる方が多いと思われます。
確かに遺言書と節税は直接の繋がりはありませんが、以下のような理由から遺言書の作成は相続対策としてとても重要なものなのです。
・相続人同士のトラブルを防ぐ
トラブルの内容によっては、裁判費用など無駄な費用が発生する場合もあります
・相続の手続きをスムーズに行う
遺言書を作成することで、煩雑な相続の手続きをスムーズに進めることができます
・法定相続分と異なる配分を行うことができる
相続人それぞれの生活状況などに考慮した財産分配を指定できます
・相続人以外に財産を与えることができる
内縁の配偶者や子供の配偶者(息子の嫁など)に財産を与えることができます
残された家族の間で争い事が起こらないようにするためにも、ぜひ遺言書を作成することをお勧めします。
■ 生前贈与
贈与税の基礎控除を活用し生前贈与を行うことで、相続財産を減らすことができます。
また、遺言書と同じく、法定相続人以外に財産を渡すこともできます。
平成25年の税制改正では、贈与税や制度の改正が行われ生前贈与を行いやすくなりました。
主な改正点は以下のとおりです。
・教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
祖父母が孫(30歳未満に限る)に教育資金をまとめて贈与する場合は1,500万円までは非課税となります
・事業承継税制
中小企業の非上場株式を後継者が相続、贈与で取得した場合には納税を猶予する事業承継税制が拡充されます
・暦年課税贈与の贈与税の税率構造の改正
最高税率等の調整と20歳以上の者が直系尊属(親、祖父母など)から贈与を受けた場合の贈与税が軽減されます
(注)平成27年1月1日~
・相続時精算課税制度の適用要件の見直し
受贈者の範囲に20歳以上である孫が追加され、贈与者の年齢要件が60歳以上(現行65歳以上)に引き下げられます
(注)平成27年1月1日~
以上が、相続税・贈与税の改正に伴う相続対策についてのお知らせです。
最後に、ツバメのヒナは、20日程度であっという間に巣立って行きます。
ツバメに限らず子供が巣立つまでの期間というのは、本当に長いようで短いものです。
もし、子育てを頑張っている方がいらっしゃれば、子供と共有する時間を大切に過ごしていただき沢山の思い出を残してあげてください。
子供にとっては、その思い出こそがかけがえのない、最高の相続となるのですから。
今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。
また、当事務所では、遺言書の作成に関するお手伝いをいたしておりますので、どんな小さなこでもお気軽にご相談ください。
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