感動と興奮のロンドンオリンピックも無事に閉幕しましたね。
深夜のテレビ観戦で、先月は寝不足になってしまった方も多かったのではないでしょうか。
私も寝不足が続きましたが、やはり応援している選手の競技はリアルタイムで見たいものです。
何度か睡魔に負けて録画での放送を見ましたが、リアルタイムのあの緊張感が生む興奮や感動は録画放送では味わえないですよね。
ちなみに、日本は金メダル7つを含む38個のメダルを獲得し、メダルの総獲得数は2004年のアテネ大会を上回って史上最多だったそうです。
オリンピックに関するニュースではメダリストばかりが話題になっていますが、入賞者の人数も42人と非常に多くの日本人が活躍した大会だったと言えるのではないでしょうか。
しかし、素晴らしい活躍の陰で、多くの選手たちは競技を継続するために大変な苦労をしているのです。
バイトや契約社員として働きながら、ユニフォーム、用具、練習場所の確保、練習パートナーの手配などの費用を捻出し、空いた時間に練習を行っているそうです。
生活を維持するために働きながら練習を続け、4年に1度のオリンピックにピークを合わせる、ということは並大抵の努力では不可能だと頭が下がる思いがしました。
こういった選手たちを支援する形で、税金の一部が利用されていることは皆さんもご存知だと思います。
そこで今回のコラムでは、オリンピックと税金についてご紹介したいと思います。
オリンピックに係わる税金といえば、選手の派遣費用、合宿費用などの費用の一部を文部科学省がJOCに補助金として出しています。
この補助金に関しては、あの世間を賑わせた事業仕分けの対象となったため、文部科学省は、JOCへの補助金を減らす一方で、今年から文部科学省がじかに選手を助けるマルチサポート事業を開始しています。
事業仕分けの中で、仕分け人は「オリンピックは参加することに意義がある」と言っていましたが、競技を継続するために多くの選手が苦労しており、その参加することさえも大変な現状を理解したうえでの発言だったのかと私は憤りを感じました。
余談ですが、オリンピックの報奨金と税金についてもご紹介させていただきます。
オリンピックでメダルを獲得した際にJOCから貰える報奨金ですが、以下のようにメダルの色によって金額が異なります。
■ 報奨金について
・金メダル:300万円
・銀メダル:200万円
・銅メダル:100万円
なお、報奨金は「JOCからの報奨金に関してのみ非課税」と法律で定められおり、JOC以外のスポンサーなどからの報奨金は従来どおり課税の対象となります。
つまり、報奨金の課税・非課税に関してまとめると以下のとおりになります。
■ 報奨金の課税・非課税について
・JOCからの報奨金:非課税
・スポンサーからの報奨金:一時所得として所得税の課税対象
・所属する企業からの報奨金:給与所得(賞与)として所得税の課税対象
JOCからの報奨金が非課税になったのは1994年からで、昔は課税の対象になっていました。
オリンピック出場のために努力をして、日本の代表として良い成績を収めた証に報奨金が与えられたのですから、その報奨金を非課税にすることは、国民感情からも当然だと私は思います。
オリンピックに投じられる税金の負担額は、日本人一人当たり年間約数十円になるそうです。
数十円という金額は、おおよそ500円ランチ2回分の消費税額になります。
そして、将来的に消費税は、使途不明のまま増税されようとしているのです。
私は、使途不明のまま徴収される税金を嫌々負担するより、年間数十円で日本人選手を支えることができ、選手の活躍を見ることで感動や興奮を味わうことができる有意義な税金を快く負担した方が良いと思っています。
また、スポーツの世界だけではなく芸術の世界や動物園などの公共施設に税金を用いることは、日本人の精神的豊かさを培うためには必ずしも無駄ではないと考えています。
近い将来、消費税の増税など国民に負担が大きく圧し掛かる税制改正が行われようとしていますが、全ての税金に関して、本当に無駄なことは何かを国には改めて見直してもらい、私たちの貴重な税金を国民が納得できるよう使途を明確にした上で有意義に利用して欲しいと強く思います。
最後に、平和の祭典であるオリンピックに国民全員で支えている日本人選手が永久的に参加でき、他国との世界平和はもちろん、日本人の心の豊かさ(平和)にも繋がればと願っています。
今回のコラムについて詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。
|