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税務を取り巻く環境は、年々大きな変化を見せています。 このコラムでは、世の中の動きをプロの視点から できるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。
6月号
オーナー課税の廃止

そろそろ梅雨の時期に入り、雨の日が多くなりそうです。
子供の頃は雨でも長靴を履いて楽しく遊んでいたのが、大人になると傘も持ち歩かなければならないし、気が滅入ってしまうという方もいらっしゃると思います。
しかし、最近では女性用のお洒落な長靴など、少しでも雨の日を楽しくしようと色々な商品が出ているようです。

話は変わりますが、今月のコラムはオーナー課税の廃止についてお話ししたいと思います。
オーナー課税とは「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」という特定の法人に適用される制度のことです。
そして、会社法の改正により株式会社の設立が容易になったことも、この制度ができた背景の一つにあると言われています。
簡単に説明いたしますと(簡略化しておりますので、実際とは異なる場合がございます)

個人事業主は、利益を自分個人に役員報酬(給与)として払うことができず、利益全部が課税の対象になります。
しかし、法人にすることで、利益の中から自分個人に役員報酬(給与)を払うことができるようになります。法人では、その役員報酬を「経費」として扱うことができるために一定額が控除され、また自分個人では「給与所得控除」という給与所得者に認められた控除制度があり、さらに控除されることになります。
そのため、たとえ同じ利益だったとしても法人と個人事業主では税金の額が違ってきてしまいます。

そこで、4年前の平成18年に法人税の控除と給与所得の控除という「二重控除」の問題を是正するためにこの制度はできました。 しかし、この制度はできた当初からさまざまな問題が指摘されており、やっと今年度の4月決算から廃止されることが決定いたしました。

ただし、税制改正大綱の中で『個人事業主との課税の不均衡を是正し、「二重控除」の問題を解消するための抜本的措置を平成23年度税制改正で講じる』とされているので、また同じような制度ができる可能性が十分にあります。

今後も、この問題からは目が離せないと思っています。
オーナー課税について詳細を知りたい方は、お気軽に当事務所までご連絡ください。

2010/06/01
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